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北海道道南の「松前町」は、春の桜がとても有名な町。「南殿」を始めとする松前公園の約1万本の桜は4月下旬~5月中旬にかけ順次開花し、訪れる人の心をガッチリとキャッチして離しません。
そんな松前町には、北海道ではほとんど見ることができない竹林があることをご存知でしたか?
今回はこの松前町にある竹林「孟宗竹林」をご紹介します。
北海道にも竹林があった!?北限の竹林「孟宗竹林」!
そもそも竹は温暖湿潤な地域でなければ育たないため、北海道には不向きな植物。
松前町の ”孟宗竹林” はそんな竹が北海道で育っている珍しい場所であり「北限の竹林」とも呼ばれています。
孟宗竹林へのルートは?案内板に沿って向かいましょう!
松前町市街地から ”孟宗竹林” へは、約1.7km、車で7~8分ほどかかります。
銀行や商店などが集まる松前町のメインストリート「城下通り」を走る「道道380号線」を西の方向に進むと、やがて城下町風の建物もなくなり住宅街に入ります。
住宅街に入って間もなく、右手側に写真の ”孟宗竹林” への看板が見えてきますので、看板に従って住宅街の奥へと進んで下さい。
なお孟宗竹林へ続く道は道幅が狭く、車2台がすれ違うことも難しいと思います。行かれる際にはくれぐれも飛び出しなどに注意して向かって下さい。
住宅街を奥に進むと更に別の看板が見えてきますので、看板に従って左折。
孟宗竹林はこの未舗装道路を進んだ先の、小川の奥にあります。
両側には熊笹がたくさん生えていますので、車にキズが付かない様に注意して下さい。
2500本もの竹が生えている孟宗竹林を散策
小川の上に架かる鉄管を組んだ橋。
この橋を渡った先が、目的の ”孟宗竹林” となります。
なお北海道で竹林を見ることのできる場所は、ここ松前町の他、函館市・伊達市・札幌市などにもあるそうですが、どれも規模の小さい物の様です。
それに比べ、ここ松前町の孟宗竹林はなかなかの広さで、竹に馴染みの薄い北海道民にはとても見ごたえのある竹林です。
それでもきっと本州の竹林と比べると雲泥の差なのでしょうね。
「孟宗竹」は中国原産の植物。
その名前の由来は「中国の三国時代の呉という国の人物、真冬に母親のために筍を掘った「孟宗」から」取られています。
脅威とも言える繁殖力を持ち、地下にドンドンと茎を伸ばし生息域を伸ばしていくことで有名です。
この地下茎は、なんと 1年で5~8mも伸びるのだそう!
そのため竹の需要が少なくなった現在では、その維持管理がかなり大変なのだそうです。
この孟宗竹林に自生している竹の数は 約2500本!
きちんと手入れがされている竹林の様で、竹が無駄に密集していなく 竹林の中に光が差し込むくらいでした。
しかし下を見ると所々で地下茎がしっかりと顔を出していましたので、散策の際には足元に注意が必要です。
現地の案内看板には、松前の孟宗竹林は 安政年間に松前藩の重臣 ”新井田氏” が佐渡から持ち込んで移植した竹が根付いたものだという記載がありました。
全文は以下に転載します。
博多学術自然保護地区
この竹林は、約200年前、中国から九州南部に伝来し、以来、全国に広がった孟宗竹の林です。この場所は、安政年間、松前藩の重臣新井田氏が、佐渡から樽に入れて持ち帰り移植したものと言われています。一般に竹類は温帯からモンスーン地帯に豊富で、北海道では珍しいものですが、道内でも比較的温暖な松前の気候等が幸いし、ここに生育が可能になったものです。
現地看板より
竹林の中には落枝があるため、見学は散策路に沿って行います。
散策路の奥行は約100mくらいだったと思いますが、それでも見ごたえのある竹林でした。
なお同じ松前町内には、この孟宗竹林以外にも竹を見かけることができました。
特に 松前公園内の各所や、お寺の敷地内などで良く見られた気がします。
北海道では珍しいこの孟宗竹ですが、松前を散策する際には ”竹” に注目してみるのも面白いかも知れません。
孟宗竹林
【住 所】 北海道松前郡松前町字博多