北海道にも洞窟があった!?当麻町の「当麻鍾乳洞」は貴重な北海道天然記念物!

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道北の町「当麻町」は、面積の65%が森林という自然豊かな町。
主産業は農業で、代表的な農作物には今や全国的な知名度のある「でんすけすいか」や良質な「お米」などがあります。また昆虫の展示や実際にふれ合うこともできる「パピヨンシャトー」など、自然の魅力を伝える施設なども充実。

そしてこの他にもう1つ、当麻町には北海道ではかなり珍しい「洞窟」があることをご存知でしょうか?今回はこの北海道の天然記念物にも指定されている「当麻鍾乳洞」をご紹介します。

 

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当麻鍾乳洞とは?

当麻鍾乳洞

当麻鍾乳洞駐車場から見た全景。

「当麻鍾乳洞」は、当麻町の市街地から車で約20分くらいの距離にあります。自然豊かな当麻町ですが、鍾乳洞がある場所は更に自然が深い山のふもと。向かう途中の道沿いには、ず~っと田んぼが続いていました。下調べなしでも当麻町が農業の町だということが良くわかるくらいです。

なお今回訪問した時期は8月。田んぼの回りにはたくさんのトンボが飛び回っていて、セミの声に交じって時折カエルの鳴き声も聞こえてきます。都会にいては絶対に味わうことのできない雰囲気…。田園ドライブもたまには気持ちが良いものです。

 

当麻鍾乳洞

建物の中へ移動

当麻鍾乳洞の入洞料は「高校生以上500円」「小中学生300円」となりますので、まずは受付を済ませてしまいましょう。すぐに鍾乳洞に向かいたくなる気持ちをグッとこらえて建物の中を見回すと、当麻鍾乳洞の全景を描いたものや、概要などが書かれた看板があります。入洞する前に一読しておくと、より楽しむことができますよ。また鍾乳洞の中で形成された石筍(せきじゅん)も展示されていました。石筍の説明などは、また後ほど。

 

当麻鍾乳洞

当麻鍾乳洞の入り口

当麻鍾乳洞は1957年に発見された鍾乳洞で、全長約135m、高さは約7~8mほどとなります。北海道では鍾乳洞自体が珍しいのですが、全国的にみるとそこまで規模の大きなものではありません。むしろ大きさだけで言えば、岩手県にある「龍泉洞」なんかの方が何倍も大きな鍾乳洞です。わたしも初めて龍泉洞に入った時には、あまりの規模に驚いて言葉を失ったくらいでした‥。

そんな当麻鍾乳洞。
前述のとおり規模だけでみると大きいものではありませんが、それ以上に学術的価値の高い鍾乳洞として知られているのだそうです。洞窟の壁や天井からぶら下がっている数々の鍾乳石は、不純物が少なく純度の高い状態で残されており、また透明性が高くとても貴重なものなのだそうです。

 

そんな当麻鍾乳洞を発見したのは「当麻石灰工業株式会社」の「故・今村勇」さん。発見された当時、この場所は当麻石灰工業株式会社の採掘場だったそうです。鍾乳洞入口の横には、発見した功績を讃えた顕彰の碑が建立されていました。

 

いよいよ当麻鍾乳洞に入洞!

いよいよ鍾乳洞の中を見学していきます!
1歩洞窟内に足を踏みいれた途端、感じるのはひんやりとした冷たい空気。当然ですが鍾乳洞の中に自然の光は届きませんので、外との温度差が顕著にでます。春・秋の時期には少し肌寒いくらいですが、逆に暑い夏の日には冷房いらずの涼しさです!夏バテ気味になったら涼を求めて鍾乳洞に行ってみる、なんてのもたまには良いのではないでしょうか?一風変わった夏の楽しみ方です。笑

 

当麻鍾乳洞

鍾乳洞の内部の様子

洞窟の内部は5つの空間に分かれていて、空間ごとにそれぞれ幅も天井高も異なっていました。見学は整備された通路に沿って行います。そのため中で迷うということはありません。途中屈まなければ頭をぶつけてしまうくらい天井が低い場所があったりしますので、特に頭上には注意して下さい。天井からはところどころ水がポタポタと垂れてきており、気を付けないと頭にも体にもかかって結構濡れます。また通路の大半が濡れていて足元もそこそこ滑りますので、行く際には履きなれたスニーカーなどがおススメです。

 

さてこの鍾乳石ですが、どのようにしてできるのでしょうか?
簡単に説明をすると、まず空気中の二酸化炭素を含んだ雨水が石灰質の地層に含まれる炭酸カルシウムと化学反応をおこすことで、炭酸水素カルシウムが水の中に溶け出すそうです。その炭酸水素カルシウムを含んだ水が、洞窟内で再び炭酸カルシウムの結晶になることで鍾乳石ができるのだそうです。

 

当麻鍾乳洞

鍾乳洞内の通路

なお鍾乳石とは、天井から垂れ下がる石灰質のつららのことを指します。この鍾乳石が形成されるのには多大な年月がかかるそうで、具体的には3cm形成されるのに約200年もかかるとも言われています!天井から垂れ下がるものを「鍾乳石」と呼ぶのに対して、床から上方へたけのこ(筍)のように成長したものを「石筍(せきじゅん)」と呼び、また鍾乳石と石筍がつながったものは「石柱」、薄い膜状のものは「カーテン」と呼ばれます。

この他に当麻鍾乳洞には、世界的にも珍しい「管状鍾乳石(通称:マカロニ鍾乳石)」が形成されていることも特徴なのだそうです。マカロニ鍾乳石とは直径5㎜ほどの細い鍾乳石で、中がパイプ状になっていることからこの様に呼ばれているとのこと。パッと見ただけではどれがマカロニ鍾乳石か見分けるのは難しかったですが、恐らくあれだろうなと思うものはたくさん見つけることができました。

 

当麻鍾乳洞

洞窟の奥にある「幸運の間」「神昇道」と呼ばれる空間

この地に伝えられる「蟠龍伝説」では、龍が2頭横たわる様な形とされる当麻鍾乳洞は「えぞ蟠龍洞(ばんりゅうどう)」として登場し、龍神が休む場所だったとされています。蟠龍伝説は絵本となって地域に浸透し、また当麻町の夏まつり「蟠龍まつり」では、巨大な張り子の龍を10人ほどで操作する「龍おどり」も行われているそうです。

参考

むかしむかし、このあたり一帯がトウ・オマと呼ばれていた頃のお話です。雲の中から突然2頭の夫婦龍があらわれ、大空を飛んだり、またある時は、 大地をかけ回ったりしているところを先人たちが見て、その龍を自分たちの 守り神にし、この地の発展を願ったといいます。龍神が休む所、それが当麻の鍾乳洞(蝦夷蟠龍洞)と伝えられています。

引用:当麻町観光協会 http://www.densukesan.net/html/ryuta.htm

 

場所によっては、こんなにダイナミックな表情をしている岩肌もありました!
まるで洞窟の天井全体に発砲ウレタンを吹きかけた後の様な雰囲気です。ここまで岩盤全体が覆われていると鍾乳石という言葉では収まりが悪いですが、つらら状の鍾乳石や石筍・石柱もしっかりと確認できました。

ちなみに私事ですが、当麻鍾乳洞には今回で4度目の訪問となりますが、今までは目線の先にある鍾乳石ばっかり追いかけていた様な気がします。今回少し視点を変えてじっくりと見てみることで、自分の知らない鍾乳洞の別の顔が見えた気がしました。一度面白いと感じたところは、何度来ても面白いものです。

 

洞窟内の温度計は、10℃を下回るくらいを指していました。通りでヒンヤリとする訳です。時期によっては、羽織るものを持って行かれた方が良いかも知れませんね。

ところで、みなさんは洞窟と聞いて連想するものはありますでしょうか?
わたしの場合、すぐにパッと浮かぶのは「コウモリ」。洞窟から一斉に飛び立つコウモリの群れが頭に浮かびます。ここ当麻鍾乳洞でも、過去4度訪問した内、1度1羽だけコウモリを見ることができました。とは言ってもコウモリがいるってことを確認できたくらいで、暗いし、天井にとまっていて遠いしで、はっきりと見えた訳ではありません。いたとしても、もちろん血を吸われることはありませんので、怖がらないで優しく見守ってあげて下さい。

 

当麻鍾乳洞を出て敷地の奥にあったのは、キレイに岩が並べられた「ロックガーデン」。奥にある「昇竜の滝」から流れた水が、庭園から駐車場まで流れています。昇竜の滝と歌碑以外には特段何もありませんが、このキレイな庭園で日向ぼっこでもしながら、洞窟の中で冷えた体を温めてみてはいかがでしょうか?

 

当麻鍾乳洞へのルートを確認!

当麻鍾乳洞には高速道路を使って約2時間30分かかります。まずは札幌から道央道を北上し、「旭川北IC」で下車。道道37号線を「旭川空港」方面へと進み、国道39号線とぶつかる交差点を左折して北見・上川方面に向かって下さい。途中にある「道の駅とうま」を通り過ぎ、その先にある「ホクレン」のガソリンスタンドのある交差点を右折。交差点にも、そのあとの道沿いにも案内標識が確認できますので、道なりに進んでいくと当麻鍾乳洞にたどり着くことができると思います。

 

当麻町にきたら、お土産はこれで決まり!

当麻町の特産品の1つでんすけすいかは、今や全国的な知名度となった黒玉すいか。当麻農協による厳格な品質検査(空洞、糖度など)を通らなければ名乗ることができず、札幌で2018年に行われた初セリでは1玉50万円の値がついた高級すいかです。

「道の駅とうま」の敷地内にある「JA当麻 直営農産物直売所」では、そんなでんすけすいかの秀品が1玉3,000円程度から購入することができます!当麻町に寄った際には、思い切ってでんすけすいかを買って帰り、自宅でいつもより贅沢なひと時を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

 

当麻鍾乳洞

【住 所】 北海道上川郡当麻町開明4区
【電話番号】 0166-84-3719
【営業時間】9:00~17:00
【営業期間】4月最終土曜日~10月最終日曜日 
【駐車場】 あり
【HP】 公式HP

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